最も厳しい電力不足を懸念電力使用の多い工場への影響

摘要

帝国データバンクは、関西地区·製造業者の経営実態調査結果を発表した。今夏の電力需給が威しい北海道、関西、九州などに対する政府の節電要請期間が、7月2日から始まった。最も厳しい電力不足が懸念される関西地区では、万一に備えて計画停電実施の可能性もある。リーマン·ショック後の業界環境の悪化に苦しみ、電力使用の多い工場を抱える同地域の製造業者への影響がとくに懸念される。関西地区に展開する製造業者数は2012年5月末時点で3万7061社判明。主な内訳は、関西に本社のある製造業者が3万6424社（98.3％）に対し、他県から関西への工場進出企業は33都道県の637社（1.7％）。今夏の電力不足問題は同地区の企業が中心となるものの、同地区以外の幅広い地域の製造業者にも一定の影響を及ぼす可能性があることが分かる。関西地区に本社を構える製造業者3万6424社について、2007～2011年の売上高推移をみると、2011年の売上高は3年ぶりに増加したものの、リーマン·ショック前の2008年の水準に比べ11兆4062億円の大幅減少（16.1％減）となっており、本格回復には程遠い状況が続いている。