【酸塩基バランスと電解質異常】代謝性ァルカロー シスと電解質異常

摘要

代謝性アルカローシスは実臨床において比較的よく遭遇する病態で.血中の重炭酸（HCOs-)濃 度が高値を呈する。本来，正常では酸（H + )喪失 やアルカリ負荷に伴う血中HC03 -の増加は腎臓 で速やかに代償されてしまうので，血中HCO3-濃 度が高値で持続するアルカロ一シスでは，恒常的 なアル力リ負荷や腎臓からHCOs-排泄が減少す る何らかの病態が関わっていると推察される。 なお，アルカローシスで認める電解質異常には酸 塩基平衡障害を発生する原因としてだけでなく ， 病態の増悪因子あるいは治療に伴い顕在化する合 併症としての側面もある。本稿では，代謝性アル カロー シスにおける電解質異常の病態生理学的な 意義を中心に，治療上の留意点を含めて概説する。