高齢要介護透析者の介護保険利用の現状と問題点　透析ソーシャルワーク研究会：要介護透析患者実態調査より

摘要

近年，透析導入年齢の高齢化や糖尿病を原疾患とする患者の増加，長期透析患者の増加といった背景から，日常の相談業務の中で，患者，家族からの要介護問題への相談対応が増えている。 そこで個々の医療機関が抱える透析患者の要介護問題を把握し，客観的判断根拠を得て問題の対1芯を検討するために透析ソーシャルワーク研究会では1990年より会員の所属する医療機関を対象に医療ソーシャルワーカー（以下MSWと略す）が直接調査個人票を用い聞き取り調査により要介護透析患者実態調査を行ってきた（なお，本調査における「要介護者」の基準は介護保険施行前から行っている調査であり，その継続性から障害高齢者日常生活自立度判定基準Aランク以上，もしくは認知症高齢者日常生活自立度判定基準Ⅱランク以上とした）。