血液透析患者における慢性疲労に対するレボカルニチン塩化物の 疲労スケールへの臨床効果とカルニチン分画への影響

摘要

「透析療法を受けた当日は終日，身体がだるく，調子 が悪い丄「時間が経つと体調が回復し，透析のない日 が一番調子がよい」などの患者同士の会話は，ダイァラィザの改良，on-line HDFの普及が著しい今日でも しばしば耳に入ってくる。原因は何か？体液組成の 急速是正，血液浸透圧の変化，急激な除水などが推察 されている。どれも誤りではないと思われる。小山ら は，1,122名の維持透析患者を対象として慢性疲労症 候群の概念を取り入れたアンケート調査を実施し，高 度疲労を示す145名の透析患者の疲労の特性を解析し て，298名の慢性疲労症候群患者と比較した結果，透 析患者の疲労に影響する因子は慢性疲労症候群と明ら かに異なると考えられると述べ，カルニチン欠乏症の 可能性にも言及している。