Ⅶ.分子生物学的側面よりみた大腸癌肝転移

摘要

RT-PCR法あるいは免疫組織染色法にて大腸癌原発巣を検索し,肝転移に関与する遺伝子,蛋白の解析を行った結果,細胞内核DNA量, AgNORs,PCNA labeling index (癌細胞の分裂·増殖能の指標)や微小血管密度(血管新生関連因子),CD44 (癌細胞の接着), MMP-9, uPA, TIMP(基底膜の破壊, nm23,smad 4遺伝子などが重要な因子であることが判明した.また,還流門脈血内に遺伝子レベルで癌細胞が検出される場合も,肝転移の高危険群であると考えられた.