皮膚エリテマトーデス および全身性エリテマ トーデスに対する ヒドロキシクロロキン 使用のための 簡易ガイドライン

摘要

ヒドロキシクロロキンは，欧米諸国では1955 年から全身性エリテマトーデス，関節リウマチ の標準治療薬として広く使用されている.欧州 のガイドラインでは，例外的な禁忌がなけれ ば，全身性エリテマトーデスの全例において投 与が推奨されており,ルーブス腎炎にも普遍 的に使用するとされている.本邦では過去にク ロロキンの使用で網膜症がとなり，抗マラ リア薬の開発が長くなされてこなかったが，ヒ ドロキシクロロキンはクロロキンの側鎖末端に ヒドロキシ基が付加されている.これにより， Blood-retinal-barrierの透過性を制限することが でき，安全性が増している（図）.2015年7月 から全身性エリテマトーデス，皮膚エリテマ トーデスに対して承認され，同9月より処方可 能となった.しかし，腎?肝機能低下のある場 合等，使用においては注意が必要である.本稿 では，薬剤を適正に使用するうえで一助となる ガイドラインの概要を紹介する.