ウィルス性慢性肝炎の自然経過とチェックポイント

摘要

ゥィルス性慢性肝炎はB型肝炎ウイルス (HBV)およびC型肝炎ウィルス（HCV)の 感染によって引き起こされる.持続感染の結 果，慢性肝炎から肝硬変へと至り，ウィルス 感染のない人に比べ高率に肝細胞癌を発症す る.わが国での肝癌死亡者は年間3万人を越 え，癌死亡の男性で3位，女性で4位である. わが国ではHCV持続感染キャリアは推定200 万人，HBVキャリアは140万人存在し，プ ライマリケアの場において遭遇する機会が多 い疾患と考えられ，またウィルスキャリアで あっても肝機能（ALT)正常例も存在するこ とから，いまだ感染していることが認識され ていない症例も多くいると考えられる.