かh化学療法と急性腎障害(AKI)

摘要

急性腎障害（acute kidney injury ： AKI)は疾患 スペクトラムの広い症候群であり，さまざまな病 態がAKIを呈しうることが数多く報告されてい る.加えて，AKIの発症は確実に予後を悪化する ことも広く認識されるようになった.がh化学療 法においては，抗腫瘍薬，抗菌薬による腎障害と， 敗血症合併による多臓器不全としてのAKIが高 い頻度で認められる.また，腫瘍そのものに由来 する腎障害(腫瘍崩壊症候群や下部尿路閉塞）も考 える必要がある.ひとたびAKIを発症した場合， 電解質異常や水バランスの異常が起こりやすくなり，さらに，一定しない腎機能のため薬剤血中濃 度を一定に保つことが困難となり，治療効果や有害事象に差がでることが懸念される.