黄斑円孔と黄斑上膜の治療

摘要

黄斑円孔は，特発性黄斑円孔と続発性黄斑円孔に分類される.特発性黄斑円孔は，Gassによりは じめて詳細に記載された視機能を障害する重篤な 疾患である.特発性黄斑円孔の機序として， Gassは，眼球後面の接線方向の牽引（tangential traction)が原因であると仮定をし"，黄斑円孔の 進展段階をStage1-4に分類した.一方，光干渉 断層計(OCT)の進歩により，Gaudricは黄斑に作 用する垂直方向の牽引が原因であると報告し た2). Spectral domain OCTにより中心窩網膜の 垂直方向の牽引によるfoveal detachmentを確認 することが可能となり，現在では，特発性黄斑円 孔は垂直方向の硝子体膜の網膜表層に及ぼす牽引力がおもな原因となると考えられている.