コミュニティ支援のフロンティア

摘要

統合失調症は思春期後期から青年期に発症し， しばしば慢性的に経過するため，学業の継続や就 労などの社会生活への影響が大きい疾患である. 一般的には精神科の外来受診を継続し，薬物療法 を主体とした治療が行われるが，通院を自己中断 して症状が不安定となり，救急受診や入退院を繰 り返すことも少なくない.自傷他害の恐れがあり 精神科救急の対応である措置入院となる患者の65%を統合失調症が占めているとの報告もある。また，退院後の治療中断が懸念される，あ るいは単身生活のため地域での支援体制が不十分 であるという理由から，入院が長期化することもまれではない.