統合失調症を持つ当事者への就労支援

摘要

障害の有無にかかわらず，多くの人が「働いて 自立したい」と考える.とくに若年で発症した統 合失調症当事者が自らの長い人生を思い描くと き，就労支援は多くの当事者にとって欠かせない 支援のひとつとなる.一方，統合失調症当事者を取り巻く就労環境 は，障害者雇用促進法の一部改正により法定雇用率に精神障害者が含まれるようになった2006年 以降，格段に改善している.2018年の精神障害者 雇用義務化を控え，また，2016年4月1日には 「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法 律」（障害者差別解消法)が施行され，行政機関や 事業者に対して，障害のある当事者に対する合理 的配慮を可能なかぎり提供することが求められる ようになった.このように現在，精神障害当事者の就労は非常に強い追風を受けている.