TheranosticsとしてのICGラク卜ゾーム

摘要

近年のナノテクノロジ一分野のめざましい進歩により，ナノサイズ(数nm-百数十nm)ドラッグ デリパリ一システム（DDS)型超分子が各種報告 されている.さらに近年，病変部に特異的に集 積するDDS型超分子の特性を利用した治療のほ かに，ナノキャリアを生体イメージングによって 可視化することが可能となった.すなわち薬剤に よる"治療"とイメージングによる"診断"を一体 化して病変の治療効率を高める"セラノスティ クス(Theranostics) (Therapy + Diagnostics)と いう新しい考え方が提唱され，最近多くの技術開 発が進められており注目の医療分野となっている.本稿では，著者らのグループが検討してきたィ ンドシァニングリ一ン（ICG)内包高分子ミセル型 超分子(ICGラクトソーム）による，胃癌腹膜播種 モデル，リンパ節転移モデルでの光線力学療法 (PDT)の治療成績とセラノスティクスとしての意義を概説したい..