抗好中球細胞質抗体と好中球細胞外トラップ

摘要

抗好中球細胞質抗体(anti-neutrophil cytoplasmic antibody ： ANCA)は1982年，Daviesらによ り発見された自己抗体であるANCAには，ェ タノール固定した好中球を標的細胞とした間接螢 光抗体法において，異なる染色パターンとして検 出される2種類のものがある.ひとつは核周囲を 染めるもので，これをperinuclear ANCA(p-ANCA)とよび.もうひとつは細胞質をびまh性 に染めるもので，これをcytoplasmic ANCA(c-ANCA)とよぶ.p-ANCAのおもな対応抗原はミ エロペルォキシダ一ゼ(myeloperoxidase ： MPO) であり，c-ANCAのおもな対応抗原はプロテ ナ一ゼ3(proteinase 3 ： PR3)であることがわかつ ており，現在では，ANCAの検出はこれら抗原を 固層化したenzyme-linked immunosorbent assay (ELISA)による定量的測定が主流となって いる.