高安動脈炎における抗内皮細胞抗体の意義

摘要

従来,自己抗体の出現しにくいとされてきた血管炎症候群でも種々の自己抗体がみられてきている.Wegener肉芽腫症などに特異性の高い抗好中球細胞質抗体がもっとも有名であるが.これに次いで高率に認められる坑内皮細胞抗体はいまだ意義が確定していない.これは用いる内皮細胞の多様性や反応条件の達いにょって一定の成績が得られないからである.著者らは本抗体の検索中に,高安動脈炎に培異的な抗74kDa抗体を見出した.この杭74kDa抗体は高安動脈炎に比較的高率で特異性高く検出される.その対応抗原は検索中であるが,それが同定されれば,診断ばかりではなく病態解明にも役立つものと期待される.