成長ホルモン遺伝子異常による成長障害-成長ホルモン分泌不全症と作用異常症

摘要

成長ホルモン(GH)は身長増加に重要なホルモンである．成長ホルモンをコートする遺伝子，GH-1遺伝子の異常によつて低身長を呈する症例がある.GH－1迅伝子異常はほとhとの症例でGH単独欠損症（lGHD）となる．ところが．GHは十分に分泌されるにもかかわらずl分泌されるGH分子の構造が異常であるためにGHの作用か発揮されず．結果的に成長障害を呈する,いわゆる生物学的不活性型GH(Kowarski)症候瓢の症例もGH-1遺伝子の点変異によることを著者らは報告してきた．このように?GH－1遺伝子異常症は多様な臨床像を取りうる．とりわけ生物学的不活性型GHによる低身長症は血中GH濃度は正常から高値を示すが，GH製剤（正常なGH）を投与すれは身長の増加が期待できる疾患であることから，まれではあるがその疾患の概念を知っておくことが重要である．