自然界に存在する耐性のプロフィ一ルを有する ウィルスの頻度と特徴

摘要

C型肝炎ウィルスのウイルス学の進展に伴い，ゥィルス蛋白を直接標的としたDAA薬剤の開発が急速に進 行し，同薬剤を用いることにより治療効果が格段に上昇した.一方で，これらの阻害剤に対する耐性ウィルス が存在する症例においては治療効果が減弱することが報告された.さらに重要なこととして，これらDAAsに 対するnaive症例においても一定の割合でDAA耐性ウィルスが存在することが明らかになりつつある.ゲノ タイプ1b型の，NS3プロテア一ゼ阻害剤に対する耐性変異の自然界に存在する耐性変異ウィルスの頻度は低 く，また核酸型のNS5B阻害剤に対する耐性变異はほとhど認められない.一方，NS5A阻害剤耐性変異で あるNS5A Y93H変異は，わが国において8?19%程度に存在することが報告されており，治療を行う際に 注意が必要となる.