スタチンの血液凝固システムに及ぼす影響

摘要

3-hydroxy-3-methylglutary卜A(HMG-CoA)reductase inhibitors (HMG-CoA阻害剤:以下,スタテン)は,高脂血症の管理と動脈硬化性疾患の予防に対する有用性が明らかとなっている,スタテンの作用については近年急速に研究が進歩し,多くのエビデンスが蓄積されつつあるが,そのなかでもコレステロール低下作用とは独立したいわゆるpleiotropic effectについてとくに注目が集まっており, ①血管内皮機能低下の改善, ②一酸化窒素(NO)の産生促進による各種作用, ③動脈硬化病変におけるプラーク安定化作用, ④血管新生の制御, ⑤炎症性変化の抑制, ⑥抗血栓作用などがあげられる.