高血圧

摘要

血圧値は,複数の遺伝要因と環境要因により決定される多因子遺伝形質である.遺伝要因は30-40%程度と推定されているが.遺伝要因を構成する遺伝子およびその違いはまだよくわかっていない.関与する遺伝子が明らかになれば,本態性高血圧の発症予防法として発症しやすい遺伝要因をもっているヒトに対するオーダーメイドの健康管理の開発が可能になるであろう.また,新しい高血圧治療薬の開発や発症予防薬の開発などにつながることも期待できる. 1つの遺伝子異常により高血圧を発症する疾患の原因遺伝子およびその変異はつぎつぎに明らかになってきているが,本態性高血圧の発症しやすさを決める遺伝子は,いまのところアンシオテンシノーケン遺伝子以外は確定的ではない.現在わが国でも.国家プロジェクトとして,この道伝子探索をすすめており,その成果が待たれる.