ヒトポリオーマウイルス·JCウイルスとと卜腫瘍の発生

摘要

ウイルスが原因で発生するヒト腫瘍にはBurkittリンパ腫（EBウイルス），子宮頸癌（ヒトパピローマウイルス：HPV），肝細胞癌（HBV，HCV）などがよく知られているが，最近，polyomavirus属がヒトに腫瘍を起こす可能性が検討されている．Simian virus40（SV40）はサルの腎細胞より単離されたpolyomavirusで，ヒトのmesothelioma，osteosarcoma，脳腫瘍などとの関連性が報告されていた．さらに2002年になり，non－Hodgikin lymphomaとの関連性を強く示唆する大規模な研究が報告されている.SV40はサルを宿主とするウイルスであるが，1955～1963年のポリオワクチンに混入していたことから，ワクチン接種との関連が議論されている．