甲状腺·副甲状腺·乳腺疾患に対する鏡視下手術

摘要

甲状腺,副甲状腺,乳腺疾患に対する内視鏡手術について論説する.これらは,美容面,侵襲面より開発されてきた.とくに,頸部では切開創による術後の触覚異常,知覚鈍磨などの不定愁訴が大きな問題となっているが,この内視鏡手術はそれをほぼ解消させた.本術式は完全に内視鏡で行う方法と内視鏡補助下に行う方法とに分かれる.適応は癌腫(甲状腺では1cm以下,乳腺では3cm以下),良性腫瘍であるが,この適応は今後,技術?器具の進歩とともに拡大されていくものと思われる.手術成績も優れたものであり,手術時問の短縮.手術侵襲の軽減などを追究し,患者のQOLを満足させることが必要である.