横浜市立大学病院におけるリスクマネジメントへの取組み

摘要

当附属病院は1999年1月に重大な患者取り違え事故を起こした.この事故の重大性を反省し,病院を再生するために,安全な医療,患者中心の医療を徹底し,病院をあげてつぎのように取り組hできた.①事故の再発防止のため,その背景にある病院全体の管理運営システムの不備の改善,患者中心の医療.医師の責任体制の確立,チーム医療の確立安全管理体制の確立,および手術室の管理運営や病棟の勤務体制の見直しを行った.②安全管理体制の確立については,事故予防委員会の設置,リスクマネージャーの配置,インシデント報告システムの導入,および安全管理部門の設立などを実施した.③病院長による指導体制の確立に関しては,権限を強化するために病院長の専任制とし,副病院長の配置,業務分担,および病院管理会議の設置を行った.④医療教育の充実のためには,種々の研修会や情報伝達の円滑化のための講演会や研修会,さらには安全管理ニュースの発行などを実施した.⑤外部委員による事故再発防止対策および病院改革に関する外部評価委員会が1999年10月に設置され,それまでの取組みに対して報告をいただいた.それに基づき改善をし,現在の当病院の安全管理状態については,インシデント報告の分析から判断しても,かなり改善してきていると考えられる.その後の外部評価状況に関しては.2001年11月20日に日本医療機能評価機構を受審し,2002年1月には評価機構の定める認定基準を達成していることが認められた.