多能性幹細胞から中胚葉系細胞への分化誘導

摘要

胚性幹細胞（ES細胞）や人工多能性幹細胞(JPS細胞）などの多能性幹細胞は細胞治療の細胞供給源となりうることから，臨床応用への期待が高まっている.しかし分化の多能性から，特定の細胞を得るためには効率のよい誘導方法の確立が求められる.本稿では，多能性幹細胞から中,葉系細胞とその子?系細胞である間葉系細胞に分化させるための誘導方法や，表面マーカ一を用いた分化経路の知見について説明する.さらに，最近の臨床応用研究の知見や，多能性幹細胞を臨床応用する際の安全性での問題点についても議論したい.