可溶性フィプリンモノマ一複合体(SMFC)を中心にCoaaulation marker in DIC

摘要

凝固系マ一カーを考えるとき，われわれの生体は凝固単独ではなく,凝固と線溶の両者の巧みなバランスのうえに生命の恒常性を保っていることを忘れてはならない.健常成人では通常微量にしか存在しないが，凝固線溶系の活性化により血槳中に出現してくる物質の検出は，早期診断や病態の把握に臨床上きわめて有用である.とくにDICでは血中に卜ロンビンとプラスミンが共存しさまざまな凝固線溶異常をきたすので，DICを早期に診断しその治療を開始するためには，DICによる凝固線溶亢進の結果消費される物質を検査するのではなく，生成される物質を測定するほうがよい，DICの早期診断のために，多くの分子マ一力一が開発されている.凝固とは，生成された卜ロンビンがフイブリノゲンに作用し，強固なフィプリン血栓をつぐることであり，凝固系マー力一とはこの過程で増加したり滅少したり生成されるマーカーの総称である.ここでは可溶性フイブリンモノマ一複合体を中心に凝固系マーカ一を概説する.