MR hydrographyの臨床応用－MRCP（magnetic resonance cholangiopancreatography）

摘要

磁気共鳴映像法（magnetic resonance imaging·MRI）では，体内のプロトン（水素原子核；1H）を対象に任意の方向の断層像による形態的ならびに機能的診断が行われているこのMRIが臨床に応用されてからすでに15年以上の年月を経ているが，その技術開発は現在なお進行している　 最近の大きな技術開発としては，フェイズドアレイ受信コイルによる種々の領域で高画質画像が容易に得られるようになったことと，高速スピンエコー（fastspin－echo：FSE）法の進歩により胸·腹部において呼吸停止下でのT2強調画像が得られるようになったことがあげられるこれら2つの技術開発によって，ここで話題にする強度のT2強調画像による水の映像化，すなわち"MR hydrography"が可能となり，主として上腹部における非侵襲約あるいは低侵襲的なMRCP（MR cholan－giopancreatography）として臨床的応用が開始された本稿ではMRCPに話題を絞って，その有用性と問題点について症例（図1）を提示しながら述べていくことにする