耐性結核菌

摘要

近年，日本においても耐性菌感染を含む結核がふたたび問題となっているが，世界的にみれば結核はつねに主要な感染症のひとつである．とくに発展途上国ではHIVの蔓延もあって罷患率が急上昇している国が多い．これらの国では診断が不正確であったり，治療が完遂されなかったりする場合も多いため,耐性結核菌の発生が増加している．一方　 日本では結核が長く忘れられた病気であったこともあり，診療のノウハウが失われ，患者の意識も低下している．本稿ではそういった耐性菌発生要因も含めて耐性結核菌感染の診断と治療について概説する．