循環器領域における心臓MRlの現状と将来展望

摘要

高い時間分解能と空間分解能をもつMRlは心電図同期などの併用により循環器領域のさまざまな情報を得ることが可能となってきている.現在,最新の汎用機では心臓MRl検査のうち,左室機能,局所壁運動の評価,虚血評価,冠動脈形態の観察,心筋梗塞部や心筋変性部の同定などが可能であり,検査に習熟すれば一連の検査を45分程度で施行可能である.これらの検査は虚血性心疾患のスクリーニング棉査として高い感度·特異度があり,臨床的有用性が高いと考えられる.このほか,通常のT1強調,T2強調画像や脂肪抑制のシーケンスを疾患に応じて撮像することにより虚血性心疾患（虚血,心筋梗塞など）のみならず.心筋症.心臟腫瘍,心膜疾患,孤立性左室緻密化障害,左室内血栓,心サルコイドーシス,先天性心疾患など数多くの疾患の重要な補助診断となる.本稿では臨床例を用いこれらを解説し,そのうえで今後の展望についても述べる.