腎内レニン-アンジォテンシン系活性化の あらたな尿中バイオマーカー

摘要

腎は多彩な生理機能によって全 身の血圧および水分電解質を調節 している.そのなかでもレニン-アンジォテンシン系（renin-angiotensin system ： RAS)はもつ とも重要な制御機構のひとつであ る".古典的なRASの概念は肝で 産生されたァンジォテンシノ一ゲ ン(angiotensinogen ： AGT)を腎 の傍糸球体装置から放出されたレ 二ンが切断してアンジォテンシン I (AngI)を産生し，それをさら に肺や血管内皮のアンジォテンシ ン変換酵素(ACE)により生理活性をもつアンジォテンシンII(Angll)に変換して，おもに血圧や体液の調節に関与する循環RASであった.しかし，近年は RASにおける関心が局所RASあ るいは組織RASに向かってい る2).そのなかでも腎は臓器内に RASの構成因子をすベて有して おり，それらが腎臓内のAngll濃 度を調節している.