難治性そう痒症治療薬ナルフラフィン塩酸塩の創出

摘要

ォピオイドとはモルヒネ様物質を意味する.人 類は有史以来，ォピオイド，とくにモルヒネを， 鎮痛薬として使用してきたが，その強力な鎮痛作 用とともに薬物依存を引き起こすことがわかりォ ピオイドから依存性を分離する戦いを繰り返して きた.近年，このォピオイドが作用する受容体に，3つのタイプ（mu，dellta,K)があることが明らかにな り，さらに，薬物依存性がおもにmu受容体タイ プを介して発現することが報告され，M以外の受 容体，とくにk受容体作動薬に依存性のない鎮痛 薬として大きな期待がかかるようになった.K作動薬の研究ではァップジョン社（当時）がU-50488Hを他社に先がけて発表し，世界中で いっせいにU-50488H誘導体の激しい研究競争が はじまり，その薬理作用が明らかになった（図1). その結果，k作動薬にはたしかに依存性がないこ とが確認できたが，逆の作用，すなわち薬物嫌悪 性といった精神作用が問題となり，臨床開発後期 段階にまでステージアップすることができた化合 物は皆無であった.