糖尿病性腎症の病態と治療近年の変化

摘要

糖尿病性腎症の病態の構成要素がアルブミン尿(蛋白尿）と糸球体濾過量（glomerular filtration rates ： GFR)であることは以前と変わっていな い.しかし，GFRを推算する式を用いたeGFR (.estimate glomerular filtration rates)が繁用され るようになり，病態の考え方が若干変化してきて いることも事実である.治療に関しては基本的治 療戦略はすでに固まっており，腎症の寛解 (remission)も可能な時代となっている.しかし， 新しい腎症治療薬の開発に関しては，残念ながら 現時点で一般臨床に登場する薬剤はなく，今後の 検討課題のひとつと考えられる.