AEDの維持管理の問題

摘要

AEDは心臓病患者が密集し，発作を起こしやすく，目撃者も多そうな場所に設置するのが効率的であるが，施設内でも適切な場所に必要な台数を配置し，アクセスしやすい環境を整えることが重要である.定期的な点検のほか，バッテリーや電極パッドなどを期限内に交換することも必要である. さらにAEDによる救命を推進するには，行政主導のインフラ整備や財政支援，学校での救命講習や-般への簡易講習の徹底が望まれる.心臓突然死の3/4は自宅で起こるが，自宅にAEDを設置することの有用性はこれまでのところ証明されていない費用対効果が低すぎることに加え,一人住まいが多い，本人か連れ合いが外出中のことが多い，同居していてもその瞬間が目撃されていない，救助者がしばしば高齢の連れ合いで迅速な救命処置につながりにくい，などの背景も関係している.