早期発見?早期治療が予後に直結!!眼科疾患で最も恐い,網膜中心動脈閉塞症

摘要

網膜中心動脈閉塞症(CRAO)では，網膜中心 動脈が急激に閉塞することによって，突然視界が 黒っぽくなり，ほとhどみえない態になる.半 数以上は手の動きがみえる程度である.ほとhど の場合は片眼性で，眼痛は伴わない.突然の症状 であるため，本人もいつ発症したかを覚えている 場合が多い.この疾患は眼科の疾患のなかでも，最も早急 な対応が求められる疾患の1つであり，治療開始までの時間が予後に直結するといわれている. Hayrehらによると，動物実験の結果ではあるも のの，網膜中心動脈の完全閉塞後97分の治療開始では網膜の機能は回復するが，105分だと網膜 機能に障害が生じると報告されている人間を 対象とした，はっきりしたデータはないが，実際 の臨床現場では発症後数時間経過している場合が 多いと考えられる.しかし，時間が経過していて も不完全閉塞などのこともあり，視力が回復する 可能性もあるため，発症24時間以内であれば積 極的な治療を行う.最も一般的な病因は頸動脈ァテロ一ム性動脈硬 化症であるといわれている.主に心臓や頸動脈 からのァテロ一ム性プラークが塞栓物質となる. 基礎疾患としては高血圧症，糖尿病などが多い.