自然脱落をきたし成人S状結腸Peutz-Jeghers型ポリ一プの1例

摘要

症例は41歳，男性.排便時の肛門からの腫瘤脱出と排泄，その後の排便時出血を主訴に当院を受診した，排泄された腫瘤の茎部の途中に断裂像を認めたため，出血源や病変残存の有無の確認のために大腸内視鏡検査を施行したところ，S状結腸に有茎性ポリ一プか存在し，その茎部に粘膜びらhを認めた.よって，このポリ一プが元は分葉状で，一部が自然脱落して肛門から排泄されたと考えられた.内視鏡的粘膜切除術にてこのポリ一プを摘出， 病理組織学的診断にて自然脱落した腫瘤と切除したポリ一ブともに，Peutz-Jeghers型ポリ一プと診断された.成人での大腸Peutz-Jeghers型ポリ一プ自然脱落の報告例はきわめてまれで，そのポリ― プ内に悪性像を認めたとの報告例もあり，大腸内視鏡検査での全大腸の検索や，ポリ一プなどの病変があれは早急な切除と確実な病理組織学的診断を行うことが重要である.