COPDにおける禁煙の重要性と禁煙支援

摘要

禁煙は，COPDの治療上必須のものであり，その効果は多くの研究から明らかにされている.とくに長期予後については，軽症か重症かを問わず，科学的根拠をもつ治療法としては唯一無二のものであり，プライマリ·ケア医は，その達成を全力で支援するべきである.また，禁煙によって症状の改善や呼吸機能の改善も期待される.禁煙支援は5つのA (ASK/ADVISE/ASSESS/ASSIST/ ARRANGE)の順に行うとスムーズである.各種教材を用いて，明確な言葉でアドバイスし，禁煙への動機が高まれば止め方をともに考え，継続フォローしていく.動機が高まらない場合は，5つのR動機が高まっているがニコチン依存症の程度から禁煙困難と考えられる例は禁煙外来に誘導して，禁煙補助薬を使いながら支援する.すべてのプライマリ·ケアの場で，すべてのCOPD患者が適切な禁煙支援を受ければ，COPDは劇的に減少するはずである.