尿管結石でもカルシウムは制限せずむしろ摂取し，蓚酸成分を制限する

摘要

尿路結石成分は，蓚酸カルシウムやリン酸カルシゥム結石に代表される力ルシゥム含有結石と， 尿酸やリン酸マグネシウムアンモニゥム，シスチンなどの非カルシウム結石に分けられる.突発性尿路結石のうち，カルシウム含有結石の発生頻度および再発率も高く，その成因についてはまだ解明されていないことが多い.以前は，食事におけるカルシウム過剰摂取がその成因として考えられ，再発予防指導にカルシウム摂取量を控える食事指導が行われた.その病態も，カルシウム含有結石の場合は高カルシウム尿症，高蓚酸尿，低クェン酸尿，上皮小体機能亢進症，尿細管性ァシド一シスなどがあげられ，摂取量を減らすことで高カルシウム尿症の改善をきたすと考えた.しかし，カルシウム含有結石の代表である蓚酸カルシゥム結石を例に見ると，その再発防止の食事療法で，蓚酸成分を控えることとカルシウムの一定の摂取が必要とされる食事療法が重要であることが現在ガイドラインにも記されている.