前立腺肥大症治療の最前線

摘要

前立腺肥大症に対しては，多くの患者にα_1遮断薬が処方され自覚症状の改善に役立っている．高齢者が多いのでほかの循環器や消化器の薬剤にまぎれ，長期処方が行われている場合もあろうかと思う．薬代と手術料を比較すると．約1年半でほぼ同額となる．よって，医療経済を考えると手術適応となる症例には漫然と薬物療法を継続せずに手術療法を実施するべきである．手術療法の適応となる症例については，前立腺肥大症診療ガイドラインを参照されたい．このガイドラインは泌尿器科医をはじめ，泌尿器科を専門としない医師，コ·メディカルや患者などを広く対象として作成されている．患者に手術療法を勧める場合，基本的には経尿道的前立腺切除術（TURP）を説明するが，現在ではTURPよりも優れた術式であるホルミウムしーザー前立腺核出術（HoLEP）を導入する施設が急速に増えているので，この術式も説明する必要があると考える．