lT眼症としてのドライアイの現状

摘要

近年，職域のIT（information technology）化が加速しており，VDT（Visual display terminals）作業者の数は，年々増加している．VDT作業に伴う眼の疲労および心身の異常は，1980年代にVDT症候群と呼ばれていたが，後に，眼の疲労は，テクノストレス眼症と呼ばれるようになり，その原因として，長時間の近業による調節機能異常が取りあげられてきた．しかし，眼精疲労の原因としてドライアイが注目されるにおよhで，テクノストレス眼症は，眼の疲労にドライアイを加えて，広く，IT眼症と呼ばれるようになってきた．本稿では，これまで，われわれが行ってきたドライアイの疫学的調査の結果を踏まえ，オフィスにおけるドライアイの現状とその対策について述べてみたい．