科学者的医師の思想基盤-体系的代替医療の評価と統合に関する考察-

摘要

科学的通常医学と体系的代替医療を統合するためには,哲学的視野とメタ認知的思考が必要である.科学的とか科学者と定義されるものに対してその共同体が立脚する思想基盤をパラダイムとして捉える必要ある.パラダイム転換とは,要素還元的な医療から全人的な医療へのパラダイム転換などという単なる発想の転換ではない.その原義を理解する必要がある.伝統医学を実践するということは,証やドーシヤやギュー·シ(四部医典)などの概念に遇いつつも,無批判に受け入れるのではなく階層構造をとる統合的な新パラダイムを模索するメタ認知的思考が必要である.