腹腔動脈切除を伴う滕体尾部切除(DP-CAR)

摘要

腹腔動脈合併膵体尾部切除術（distal pancreatectomy with celiac axis en-bloc resection ： DP-しAR)は， 腹腔動脈や総肝動脈浸潤陽性の脬体部癌に対して施行 する術式である.しかし難治性胃潰瘍や壊死性胃炎な どの虚血性胃症（ischemic gastropathy ： IG)が臨床 上問題となる.動脈解剖や腫瘍との位置関係に基 づき適宜左胃動脈血流を温存?再建することで，根治 性を損なうことな く 虚血性胃症の発症率が減少し，術 後QOLや補助化学療法完遂率の改善に貢献しうる. 本稿では，膵癌に対しDP-CARを施行するにあたり， 解剖学的手術適応は割愛し，留意すべき手術関連死亡リスクと手術手技計画について，概説する.