「大腸癌5台療ガイドライン2014」改訂のポイント

摘要

わが国の悪性腫瘍の死亡率は年々増加の一途に歯止めがかからず，2012年には60年前の4倍となってい る.その中でも，大腸癌の罹患数は年々増加を続けて おり，結腸癌の罹患数は3万2千人，直腸癌の罹患数 は1万5千人を超え，部位別のがhの死亡率では女性 で1位，男性で3位となっており，今後も増加の一途 をたどると考えられる.そのようなcommon disease ともい える 大腸 癌 患者に 対し， いわゆる専門施 設であるhigh volume centerのみで賄うことは非現 実的であり，全国の一般臨床医もそれぞれの役割を踏 まえたうえで，診療に携わっていく機会がますます増 えていると考えられる.そhな中，日本の大腸癌治療 の施設格差をなくすことを目的の一つとして掲げてい る「大腸癌治療ガイドライン医師用」の役割は年々 重みを増していると考えられる.「大腸癌治療ガイド ライン医師用」は2005年度版を初版として，医療 技術の進歩や新たな知見などに伴い，原則4年を目途 に改定を行ってきた.本稿では，「大腸癌治療ガイド ライン改定のポイント」と題し，旧版からの変更点を 中心に総論および各論を概説する.