天国で微笑む父親

摘要

親にとっての最大の関心事は，子 供の行く末である.幼子を残して逝 かざるを得ない患者さhには，同情 に堪えない.しかしながら時がすべ てを癒し，そして人はどhな逆境で も乗り越えられる忍耐力を持ってい るものである.20年ほど前，30歳代後半のHさ hが食欲不振を主訴に来院し，精査 を行うと胃癌であった.そこで胃全 摘術を施行したが，スキルス胃癌で すでに癌性腹膜炎を伴っていた.し かしながら若いだけに，術後の回復 は早かった.そして家族のため，退院早々に仕事に復帰した.