脳性麻痺患者に生じた盲腸軸捻転症の2例

摘要

盲腸軸捻転症は結腸軸捻転症の5．9％と比較的稀な疾患である．今回，われわれは脳性小児麻痺患者に生じた盲腸軸捻転症を2例経験したので，若干の文献的考察を加えて報告する．患者：19歳，女性主訴：腹部膨満家族歴：特記すべきことなし．既往歴：生後2日目に開腹手術を施行されたが，詳細は不明であった．生直後から脳性麻痺で施設への入退所を繰り返していた．17歳時に腸閉塞で当院に入院した．現病歴：泣き渋る感じがあり，腹部膨満が著明になったため，当院の救急外来を受診した．腹部X線検査および腹部CT検査で盲腸軸捻転症による腸閉塞と診断され，内科へ入院した．イレウス管で減圧をはかったが軽快せず当科を紹介され，同日，緊急手術の目的で転科となった．