膵臓の解剖変異

摘要

膵臓は，発生過程で十二指腸や結腸ループの回転で周囲には種々の癒合筋膜が形成されている.3萃頭部と 膵体部の一部は，十二指腸間膜後葉が後壁側腹膜と癒 合して生じたTreitz筋膜により後腹壁に固定されて いる.滕頭部前面の下部，すなわち膵体部下縁の高さ から下方では，横行結腸間膜と上行結腸間膜の一部が 十二指腸間膜前葉と癒合しており，右Toldt筋膜の延 長である.すなわち，滕後面の腹膜は薄い筋膜で固定 され，腾前面は腹膜で覆われている.これは膵臓の剝離を進める際の指標となる.