高血圧管理計画

摘要

高血圧は生活習慣病の中で最も頻度が高く，わが国における高血圧患者数は約4,300万人と 推定されている。高血圧は，心不全，腎不全な ど循環器系臓器障害の進展を促進するとともに， 脳卒中や虚血性心疾患などの脳心血管病の主要 な危険因子である。わが国においては高齢化の 進行により脳心血管病のリスクが高い高齢者が 増加しつつあり，社会的にも循環器系の臓器不 全や脳心血管病の発症を抑制することが大きな 課題となっている。従って，その主要かつ介入 可能な危険因子である高血圧に対し積極的な降 圧治療を行い，厳格な血圧管理を達成すること が必要になる。数多い高血圧患者の診療は，循 環器や腎臓などの領域を専門とする医師に限ら ず，広く一般医家が担当する必要がある。一般 的な実地臨床における高血圧に対する医療レべ ルを向上させるためには，今までに蓄積された 疫学研究や臨床試験の成績をェビデンスとして 構築されたガイドラインを診療指針として参照 することが有用であると思われる。