スクリ一ニング検査が陰性であり選択的副腎静脈サンプリングが診断に有用であつた原発性アルドステロン症の1例

摘要

原発性アルドステロン症(PA)は，内分泌性高血圧の原因疾患中最多であり，アルドステロンの過剰分泌に伴い高血圧や種々の臨床症状を呈する疾患である。本疾患のスクリーニングは，血清アルドステロン濃度(PAC) 15()pg/ml以上，かつPAC/血漿レニン活性（PRA)比(ARR)が200 以上の場合に必要とされており，疑いがある場合は，一般医家向けには，可能であればカプトプリル負荷試験で更なるスクリーニングを行う事が推奨されている。今回我々はスクリーニング検査が陰性であり，AVSが診断に非常に有用であつたPAの1症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。