胆囊摘出術後7年を経過し，下血で発症した 横行結腸硬化性腸間膜炎の1切除例

摘要

硬化性腸間膜炎（sclerosing mesenteritis)は， 腸間膜脂肪織に限局して生じる原因不明の比較的 まれな非特異的炎症性疾患である.原因として 確定されたものはないが，腹部手術の既往もその 一因として関与すると言われる.一方，原因発生 から硬化性腸間膜炎に至るまでの期間については 不明である.今回，胆囊炎に対する胆囊摘出術後 7年を経過し，下血で発症した横行結腸硬化性腸 間膜炎に対し，結腸右半切除術を施行した1例を 経験したので，若干の文献的考察を加えて報告す る.