単純へルぺスゥィルス神経感染症一ガイドラインを含めて一

摘要

単純へルぺスウィルス（HSV)は1型（HSV-1)，2型（HSV-2)の2つのサブタイプがあり，前者は脳炎，者は髄膜炎および脊髄炎の起因ウィルスとして有名である.単純へルぺス脳炎（HSE)は側頭葉などに好発し，識障害や高次脳機能障害を来す.抗ゥィルス薬の十分な投与によっても後遺症を残しやすく，イドラインに基づく早期診断.治療開始が重要である.最近，腎皮質ステロイド併用の有用性が明らかにされつつあり，積極的に使用を検討すべきである.小児では成人の脳炎と発症機序が異なり，急激に意識障害が進行したり，身型感染となる重篤な病態が存在する.髄膜炎，脊髄炎では比較的予後良好であるが，脳炎に進展したり，発を来したり，膀胱直腸障害が後遺する例もあるため，脳炎に準じて抗ウィルス薬投与が勧められる.