急性期治療の手順:(2)トリブタン製剤の至適使用法

摘要

我が国において2000年にトリブタンが導入され,2004年3月までに合計4種類8剤形が片頭痛急性期治療に使用されているが,これまでの使用経験からその設定された条件どおりでは各薬剤の最大の効果が発揮されないことがしばしば経験されている.我が国におけるトリブタンの至適使用法を検討し明らかにするにあたっては,次のような問題点の存在が挙げられる.①個々の患者で,また同一患者でも状況によって服薬のタイミングが異なる.②同一患者でも発作の重度度によって内服量が異なり,非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)など他剤との併用を常用とする例がある.③その患者にとって最も有効であるトリブタンの種類·剤形が医療環境により提供されていない可能性がある.このような問題点を踏まえたうえで,我が国の現在の頭痛治療におけるトリプタンの至適使用法を明らかにすることが重要と考えられる.