上位型腕神経叢麻痺に対する尺骨神経部分移行術による肘屈曲再建の1例

摘要

上位型腕神経叢麻痺の肘屈曲機能再建術は，現在まで筋移行術と神経移行術が主流となってきた．今回われわれは，Oberlinらが報告した尺骨神経の一部神経束を筋皮神経に移行する術式を追試し，満足な結果を得たので報告する．症例．23歳，男.主訴：右肘屈曲障害，肩挙上障害．家族歴·既往歴：特記すべきことはない．現病歴：1998年1月17日，バイク走行中，トラックと接触して転倒し受傷した1近医に搬送され，右腕神経叢損傷，右大腿骨骨折と診断され，1月20日，右大腿骨骨折に対して髄内釘固定術を施行された．