肝硬変合併肝細胞癌に対する肝区域切除

摘要

本稿では，肝硬変合併肝癌に対する肝区域切除として特に前区域切除について，手術手順を追って留意すべき点について述べる。 患者は65歳，男性。 20年前より慢性肝炎，5年前より肝硬変の診断で経過観察されていた。 定期検査で肝S8に径3cm大の腫瘍を指摘された。 HCV抗体陽性，T．P：7．6g/dl，Alb：3．2g/dl，AST：75IU/l，ALT：72IU/l，γ－GTP：145IU/l，ICGR_(15)％：21％，白血球5．34×10~3mm~3，赤血球402×10~4mm~3，Hb：14．2g/dl，Ht：43．3％，Plate：10．9×10~4mm~3，％PT：75％，HPT：65％，AFP128ng/ml，PIVKA-II：447mAU/ml。