端末分布に応じた屋内基地局のセル設計方法の検討

摘要

次世代移動通信システムでは，高速大容量通信を実現するために小セル化に伴う基地局数増大が予想される．特に，トラヒックの発生が集中する屋内での基地局の利用促進が考えられるが，屋内は電波伝搬に関する現地調査が困難なことなどから．下り基準信号電力といった基地局パラメータの最適化が難しい．そのため屋内基地局設置時の無線エリア調整のみでは，設定した基地局パラメータと端末分布などの基地局周辺の通信品質との間の不一致により，スループット改善効果が十分に得られないことが起こり得る．したがって，基地局周辺の通信品質を示す測定情報の収集と，測定情報に基き基地局パラメータを制御する制御手法の複数種類の適用とを繰り返し行い，無線エリアの調整不足を解消するセル設計方法を筆者らは検討しており，これまでの検討で本方法による改善効果向上を確認した．また，各制御手法は屋内環境によっては向き不向きがあることも確かめられたことから，今回，改善効果のさらなる向上を目的とし，屋内環境を考慮して制御手法を選択するための指標を検討した．